◆ノロウイルス◆
    に気をつけましょう

冬場に増える食中毒「ノロウイルス」急性胃腸炎
夏に猛威を振るったサルモネラ、腸炎ビブリオをはじめとする細菌による食中毒が一段落し、秋空が広がる10月に入った頃から新聞紙上を賑わす食中毒があります。その代表的なものは生カキによる集団食中毒です。カキの中腸腺に蓄積されたノロウイルスがヒトの小腸で増殖して引き起こされる急性胃腸炎です。ノロウイルスによる急性胃腸炎は食品によるほか、水や人を介して感染する場合もあります。
ノロウイルスは、幼児や高齢者など体の抵抗力が弱っている人が感染すると重症になることがありますから注意してください。
日本での発生は一年を通してみられますが、11月くらいから発生件数が増加しはじめ、1〜2月が発生のピークになる傾向があります。
【ノロウイルス】って?
 昭和43年(1968年)に米国の小学校で集団発生した急性胃腸炎の患者の便からウイルスが検出され、発見された土地の名前をつけて呼ばれていましたが、平成14年(2002年)8月、国際ウイルス学会で正式に「ノロウイルス」と命名されました。
 ノロウイルスは、ウイルスを分離して特定する事が困難で、特に食品中に含まれるウイルスを検出することが難しく、食中毒の原因究明や感染経路の特定を難しいものとしています。

主な原因食品として、カキなどの二枚貝を生や加熱不十分なまま食べると感染する割合が高いとされています。


【感染症状】
●潜伏時間(感染してから発症するまでの時間)
 24〜48時間

●主な症状
 吐き気・嘔吐・下痢・腹痛で、発熱は軽度です。
 通常、これらの症状が1〜2日続いた後、治ります。
 また、感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状の場合もあります。
ウイルスは、症状が消えても
3〜7日間ほど患者の便中に排出されるため、
二次感染には充分な注意が必要です。
◆ノロウイルスに感染しないための注意◆
【感染経路】
一般的な感染経路はほとんどが経口感染です。
(1)ノロウイルスに汚染されていた貝類を生あるいは十分に加熱調理しないで食べた
(2)食品を取扱う人(調理人)が感染しており、その人を介して汚染した食品を食べた
(3)患者の便や嘔吐物から二次感染した など

  1. 【カキを食べるときは注意して】
     このウイルスによる食中毒の原因食品として生カキ等の二枚貝あるいは、これらを使用した食品や献立にこれらを含む食事が大半を占めています。カキなどの二枚貝は大量の海水を取り込みます。そのとき海水中のウイルスも同様に取り込まれ体内で濃縮されます。いろいろな二枚貝でこのようなウイルスの濃縮が起こっていると思われますが、私たちが二枚貝を生で食べるのは、主に冬場のカキに限られます。このため、冬場にこのウイルスによるカキの食中毒の発生が多いと考えられます。
  2. 【カキを調理するときは】
    このウイルスは主にカキの内臓(特に中腸腺と呼ばれる黒褐色をした部分)に存在しているので、表面を洗うだけではウイルスの多くは除去できません。

    ■カキを調理するときは、調理器具を分ける。
    ■使用したまな板などの調理器具は、85度以上の熱湯で1分以上熱湯消毒する。
    ■調理人は、手指を丁寧に洗う。
    ■次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)溶液で消毒する。
    などして、二次感染の防止に努めましょう。
  3. 「生食用カキ」と「加熱加工用カキ」
     生食用カキについては、その消費形態から、より高い安全性が必要であり、食品衛生法第11条第1項の規定に基づき、基準に適合したものだけが「生食用カキ」として市場に流通します。
     「加熱加工用カキ」は、生食することを想定した処理をしていませんので、新鮮なものでも絶対に生食しないで下さい。また、十分に加熱して食べるようにして下さい。

     カキ以外にもウチムラサキ貝(大アサリ)、シジミ、ハマグリ等の二枚貝が食中毒の原因食品となっています。
◆ノロウイルスに対する正しい知識を持って、予防しましょう◆
 ノロウイルスの感染経路は、ほとんどの場合、経口(口から体内に入ること)感染です。
  • 日頃から、食事前やトイレの後などにおいて、せっけんでしっかり手を洗い予防しましょう。
  • 二次感染を防ぐため、患者の便や嘔吐物等に直接触れないよう、手袋を着用するなど、処理には十分注意してください。
  • ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、便や嘔吐物は速やかに処理し乾燥させないことが感染防止に重要です。
  • 処理した後は、せっけんでしっかり手を洗い、うがいをしましょう。
  • 手を洗う時は、腕から指先まで、30秒以上、しっかり水洗いしましょう。
  • ウイルス粒子の感染性を奪うには、次亜塩素酸ナトリウムなどで消毒するか、85℃以上で少なくとも1分以上加熱する必要があるとされています。
  • 調理器具等は洗剤などを使用し十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。
  • まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効です。
◆ノロウイルスに感染したかな?と思ったら◆
【診断と治療】

 このウイルスによる病気かどうかは、臨床症状からだけでは特定できません。患者の便や嘔吐物を用いてウイルス学的に診断されます。
 便には通常大量のウイルスが排泄されるので、比較的容易にウイルスを検出することができます。

 治療としてはノロウイルスの増殖を抑える薬剤はなく、整腸剤や痛み止めなどの対症療法となります。
このため、通常、脱水症状がひどい場合に輸液を行うなどの対症療法が行われます。体力の弱い乳幼児、高齢者は水分と栄養の補給を充分に行い体力が消耗しないようにしましょう。
【感染が疑われた場合】
 最寄りの保健所やかかりつけの医師にご相談下さい。
 保育園、学校や高齢者の施設等で発生したときは早く診断を確定し、適切な対症療法を行うとともに、感染経路を調べ、感染の拡大を防ぐことが重要です。
11月頃から2月の間に、乳幼児や高齢者の間でノロウイルスによる急性胃腸炎が流行します。この時期の乳幼児や高齢者の下痢便および嘔吐物には、ノロウイルスが大量に含まれていることがありますので、おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。

お聞きの曲は
【散歩道】
 from:Senses Circuit
 (c)2003 hitoshi
       よりお借りしています。